新NISAで200万円を「オルカン」に投資。
1年後、NASDAQ100に投資した友人を見ると、自分より約20万円も多く増えていた――。
こうなると、
「NASDAQ100にしておけばよかった」
「オルカンを選んだのは失敗だった?」
と思いたくなります。
実際、2025年6月末から2026年6月末までの1年間では、NASDAQ100の運用成績がオルカンを大きく上回りました。
ただ、ここでNASDAQ100へ乗り換える前に見ておきたい数字があります。
投資開始をわずか1カ月ずらすと、約20万円あった差は約1万円まで縮んでいるのです。
200万円が「276万円」と「297万円」に
比較対象となっているのは、三菱UFJアセットマネジメントの2商品です。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS NASDAQ100インデックス
2026年6月末時点の直近1年間のトータルリターンは、
| 商品 | 直近1年間 | 200万円なら |
|---|---|---|
| オルカン | 約38.2% | 約276万円 |
| NASDAQ100 | 約48.7% | 約297万円 |
| 差 | 約10.5ポイント | 約21万円 |
となりました。
この期間だけを切り取れば、NASDAQ100の圧勝です。
「同じ200万円ならNASDAQ100を買った方が正解だった」と感じるのも不思議ではありません。
ところが、比較期間を少しだけ変えると印象が一変します。
開始を1カ月ずらすと「20万円差→1万円差」

2025年7月末から2026年7月末までの1年間では、
- オルカン:約29.5%
- NASDAQ100:約30.0%
でした。
200万円を投資したと仮定すると、
- オルカン:約259万円
- NASDAQ100:約260万円
差は約1万円です。
開始時期が1カ月違うだけで、
約21万円差 → 約1万円差
まで縮んだことになります。
これは「どちらの商品が優秀か」を1年間のリターンだけで決める難しさをよく表しています。
1年前に戻って最も上がる商品を選べるなら簡単です。
現実には、来年どちらが勝つかは分かりません。
そもそもオルカンとNASDAQ100は「同じ土俵」ではない
もう一つ重要なのが、2商品の投資対象です。
オルカンが連動を目指すMSCI ACWIは、先進国と新興国の大型・中型株を広くカバーする指数です。
2026年6月末時点では約2460銘柄で構成され、世界の投資可能な株式市場のおよそ85%をカバーしています。
一方、NASDAQ100はNASDAQ市場に上場する大型の非金融企業100社で構成されます。
大まかに言えば、
オルカン
→ 世界全体へ広く投資
NASDAQ100
→ 米国の大型成長企業へ強く集中
という違いです。
しかも、オルカンの中にもNVIDIA、Apple、Microsoft、Amazon、AlphabetなどNASDAQ100の主要企業は含まれています。
つまり、
「オルカンには米国の成長企業が入っていない」
わけではありません。
同じ大型企業を持ちながら、そこへどれだけ強く賭けるかが大きく違います。
20万円多く増えたのは「リスクを取った結果」でもある
NASDAQ100は近年、大型テクノロジー企業の成長によって高いリターンを記録してきました。
その代わり、特定の国・企業・業種の影響を強く受けます。
Nasdaqの資料では、2025年末時点でNASDAQ100のテクノロジー比率は約63%でした。
オルカンは米国株の比率も大きいものの、日本、欧州、新興国などにも分散されています。
この違いは、
NASDAQ100の方が優れている
というより、
NASDAQ100の方が集中度の高いポートフォリオ
と考えた方が分かりやすいでしょう。
集中した対象が好調なら、大きく勝ちます。
逆方向へ動けば、その影響も大きく受けます。
「リターンが10ポイント高かった」という数字だけを見て、そこに伴うリスクまで消えたことにはできません。
新NISAでは使える枠にも違いがある
2026年現在、新NISAでの扱いにも違いがあります。
オルカンは、
- つみたて投資枠
- 成長投資枠
の両方で購入できます。
一方、eMAXIS NASDAQ100インデックスは2026年時点では成長投資枠のみです。
三菱UFJアセットマネジメントによると、NASDAQ100は2026年中につみたて投資枠の対象にはなりません。
そのため、
「NISAで毎月淡々と世界株を積み立てたい」
という使い方では、オルカンの方が制度との相性も分かりやすい商品です。
NASDAQ100は「オルカンより高性能な上位互換」という位置付けではありません。
そもそも役割が違います。
「去年勝った商品」への乗り換えは慎重に
今回最も注意したいのは、
オルカンを購入
↓
NASDAQ100が勝った
↓
NASDAQ100へ乗り換える
↓
次は別の商品が勝つ
↓
また乗り換える
という流れです。
これは過去の成績を見て「最近強かった商品」を追いかけ続けることになります。
もし2027年に世界株の中でも欧州や日本、新興国が大きく上昇すれば、今度はオルカンとの差が縮まる可能性があります。
もちろん米国大型テックが今後も成長し続け、NASDAQ100が長期間上回る可能性もあります。
問題は、事前にはどちらか分からないことです。
だからこそ商品選びは、
「去年どちらが勝ったか」
ではなく、
「自分はどのリスクをどれだけ取りたいか」
から考える必要があります。
オルカンを選んだのは失敗だった?
みらいアンテナの結論は、
長期・分散投資を目的にオルカンを選んだのであれば、1年間NASDAQ100に負けただけで「失敗」と考える必要はない
です。
逆に、
「世界全体への分散より、米国の大型成長企業へ集中して高い値動きを受け入れたい」
という方針なら、NASDAQ100を選ぶ合理性もあります。
大切なのは、自分が何を買っているのかを理解することです。
オルカンを選ぶということは、
「毎年一番上がる指数を当てる」ことを諦める代わりに、世界全体を保有する
という選択でもあります。
NASDAQ100を選ぶなら、
世界全体より米国大型成長株へ強く賭ける
という判断になります。
約20万円の差を見ると悔しく感じるかもしれません。
しかし、開始時期を1カ月ずらしただけで差が約1万円になった事実を見ると、1年間の成績表だけで20年、30年の投資方針を変更する危うさも見えてきます。
新NISAで本当に決めるべきなのは、
「去年の勝者は誰か」
ではなく、
「相場が逆方向へ動いても、自分が持ち続けられるのはどちらか」
ではないでしょうか。
参照した一次情報
発表元:三菱UFJアセットマネジメント株式会社
資料名:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
更新確認日:2026年9月1日
URL:https://emaxis.am.mufg.jp/fund/253425.html
発表元:三菱UFJアセットマネジメント株式会社
資料名:eMAXIS NASDAQ100インデックス
更新確認日:2026年9月1日
URL:https://emaxis.am.mufg.jp/fund/254062.html
発表元:三菱UFJアセットマネジメント株式会社
資料名:eMAXIS NASDAQ100インデックスはNISAで購入できますか。
更新確認日:2026年9月1日
URL:https://faq1.am.mufg.jp/answer/6943c6241e32de3844a3034c/
発表元:MSCI
資料名:MSCI ACWI Index
データ基準日:2026年6月30日
URL:https://www.msci.com/indexes/index/892400/msci-acwi-index
発表元:Nasdaq
資料名:Nasdaq-100 Index
更新確認日:2026年9月1日
URL:https://www.nasdaq.com/products/global-indexes/nasdaq-100

