Samsungの折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold8」は、重量約201gです。
Galaxy Z Fold5は253gだったため、4世代で52g軽くなりました。
Samsungが公開した技術解説を見ると、この52gは特定の部品を大幅に軽くした結果ではありません。薄型加工、素材、数百の部品や補助部材まで、端末全体を少しずつ見直した積み重ねです。
253gから201g、4世代で52g減
Galaxy Z Foldシリーズの重量変化は次の通りです。
| モデル | 重量 | 前世代との差 |
|---|---|---|
| Galaxy Z Fold5 | 253g | ― |
| Galaxy Z Fold6 | 239g | -14g |
| Galaxy Z Fold7 | 215g | -24g |
| Galaxy Z Fold8 | 201g | -14g |

52gすべてをFold8の1世代で削ったわけではなく、Fold5以降の設計変更を積み重ねた結果です。
では、具体的にどこを変えたのでしょうか。
① 0.15mmまで薄くする精密加工
1つ目は、折りたたみディスプレイ周辺の薄型化です。
Fold8では、ディスプレイを支える構造にチタン合金フィルムを使った「Flex Titanium」を採用しています。フィルムの厚さは数十マイクロメートルで、人の髪の毛のおよそ3分の1です。
別の金属プレートも一部は約0.2mm、最も薄い部分では0.15mmまで加工されています。
ただし、金属は薄くするほど反りや変形が起こりやすくなります。
Samsungは加工順序や工具、冷却条件などを見直し、薄型化しながら必要な平坦性を確保したと説明しています。
ヒンジも単純に小さくしたのではなく、強度や耐久性、荷重分散、内部スペースとのバランスを取りながら設計しています。
② 軽い素材ではなく「必要な性能を軽く」
2つ目は素材です。
Fold8ではFlex Titaniumに加え、外装に進化したアーマーアルミニウムを採用。内部では放熱性能を高めたグラファイトも使っています。
ポイントは「一番軽い素材を使う」ことではありません。
折りたたみスマホには、強度が必要な部分、繰り返し動く部分、熱を逃がす部分など、それぞれ違う性能が求められます。
Samsungは、各部分で必要な性能をできるだけ少ない重量とスペースで実現するよう素材を使い分けています。
③ 約270部品を0.001g単位まで見直し
3つ目が、端末全体の細かな最適化です。
Samsungは約270の部品と、180種類を超える補助部材を精査しました。
対象はディスプレイやヒンジだけではありません。回路基板、アンテナ、ブラケット、テープ、固定具まで見直しています。
一部の補助部材では0.001g単位まで最適化。180種類を超えていた補助部材のうち約15種類を廃止し、残る部材も形状や寸法を変更しました。
プリント基板では不要な回路を減らして部品配置を再設計し、複数部品を一体化できる場所では構造そのものをまとめています。
1カ所で数十グラム削るのではなく、小さな変更を数百カ所で積み上げる。
Fold8の201gは、そうした設計の結果です。
軽量化で生まれた余裕を機能にも使う
軽量化技術は、端末そのものを軽くするだけにも使われていません。
Samsungは「Galaxy Z Fold8 Ultra」を例に説明しています。
Fold8 UltraはFold7と同じ約215gですが、バッテリー容量は4,400mAhから5,000mAhへ拡大しました。バッテリー自体は約6g重くなったため、その分を別の部分から削っています。
内部スペースの最適化によって、バッテリーや放熱機構、カメラなどへ重量や空間を振り向けられるというわけです。
折りたたみスマホでは「軽さ」だけでなく、軽量化によって生まれた余裕を何に使うかも設計競争になっています。
「世界最軽量」はSamsung社内調査
SamsungはGalaxy Z Fold8を「世界最軽量のFold」としています。
ただし、これは2026年7月22日時点で世界で販売されていたブック型折りたたみスマートフォンを比較した、Samsungの社内調査に基づく表現です。ケースなどのアクセサリーも重量には含みません。
第三者機関による全製品の認定ではない点には注意が必要です。
一方、Fold5の253gからFold8の201gへ52g軽くなったこと自体は、折りたたみスマホの弱点だった重量が大きく改善してきたことを示しています。
大画面と携帯性をどう両立するか。今後のFoldでは、数十グラムを削る設計も重要な競争軸になりそうです。
参照した一次情報
- 発表元:Samsung
- 資料名:253gから201gへ 世界最軽量の「Fold」を実現した技術
- 発表日:2026年9月11日

