くら寿司の「ちいかわ」コラボ中止発表後、初めての取引となった2026年9月7日。くら寿司株は一時、前営業日比65円安(3.7%安)の1675円まで下落しました。
終値は44円安の1696円で、下落率は2.5%。ITmedia NEWSは、9月5日に発表されたコラボ中止が「下落材料の1つとみられる」と報じています。
みらいアンテナでは9月5日、従業員の不正行為が判明し、翌6日からコラボを中止すると発表された段階までを紹介しました。
今回はその続報として、コラボ中止後初の取引で起きた株価の動きを整理します。
安値1675円、出来高は前営業日の約7.8倍
9月7日のくら寿司株の値動きは次の通りでした。
| 項目 | 9月4日 | 9月7日 |
|---|---|---|
| 終値 | 1740円 | 1696円 |
| 安値 | 1697円 | 1675円 |
| 出来高 | 30万6500株 | 238万2000株 |
9月7日は1682円で始まり、朝方に1675円まで下落。その後は1710円まで戻す場面もありましたが、終値では前営業日を44円下回りました。
注目したいのは出来高です。
9月4日の30万6500株に対し、9月7日は238万2000株。単純比較では約7.8倍に膨らみました。
株価が下がっただけでなく、前営業日より大幅に活発な売買が行われた一日でした。
日経平均が2.1%上昇する中、くら寿司は下落

同日の日経平均株価は上昇しました。
日経平均は9月4日の6万5020円94銭から、9月7日は6万6399円84銭へ上昇。前営業日比では1378円90銭高、2.12%の上昇でした。
一方、くら寿司株は2.53%安です。
つまり9月7日の値動きは、少なくとも日経平均の下落に連動したものではありません。
コラボ中止や、その背景にある従業員の不正問題など、くら寿司固有の材料が投資家に意識された可能性はあります。
ただし、一日の株価から下落原因を一つに特定することはできません。
コラボ中止と株価下落が同じタイミングで起きたことは確認できますが、「2.5%安のすべてがコラボ中止によるもの」とまでは言えません。
過去の「ちいかわ」コラボは利益にも大きく寄与
市場がキャラクターコラボを材料として意識する理由の一つとして、過去の実績があります。
くら寿司は2025年10月期の中間報告書で、前年3月に実施した「ちいかわ」とのコラボについて、「爆発的な人気」によって利益が大幅に上昇したと説明しています。
これは、くら寿司にとって人気キャラクターとのコラボが単なる広告企画ではなく、実際の集客や業績に影響し得る施策であることを示す材料です。
一方、今回のコラボ中止による売上高や利益への影響額は公表されていません。
「過去のコラボが大きく貢献した」ことと、「今回の中止で同じ規模の利益を失う」ことは別です。
3.7%安を「コラボ中止の損失額」とは読めない
今回の数字で特に注意したいのが、株価の下落率と企業の損失を混同しないことです。
9月7日に一時3.7%下落したからといって、くら寿司の売上や利益が3.7%減るという意味ではありません。
株価には、
- 将来の業績への期待
- ブランドへの影響
- 不祥事への警戒
- 今後の追加説明への不透明感
- 短期的な株式の需給
など、さまざまな要因が反映されます。
くら寿司が9月5日の公式発表で明らかにしたのは、社内調査の結果、キャンペーン実施に際して「従業員による不正行為が判明した」ということです。
具体的にどのような不正だったのか、何人が関与したのか、業績にどれだけ影響するのかは、この発表では明らかにされていません。
次に見るべきは「不正の詳細」と業績への影響
くら寿司は9月2日の時点で、調査結果や今後の対応について、事実関係が明確になり次第、公式サイトで報告するとしていました。
9月5日の発表では従業員による不正行為があったことまでは明らかになりましたが、具体的な内容や処分、再発防止策などは示されていません。
9月7日時点でも、本件について9月5日より新しい追加説明は確認できません。
今回確認できたのは、コラボ中止発表後初の取引日に、出来高が前営業日の約7.8倍へ膨らみ、株価が終値で2.5%下落したということです。
これが一時的な反応で終わるのか、それとも業績やブランドへの影響が数字として表れるのか。判断材料になるのは、今後公表される調査結果や業績への影響です。
参照した一次情報
- 発表元:くら寿司株式会社
- 資料名:「ちいかわ」コラボキャンペーンの中止について
- 発表日:2026年9月5日
- 発表元:くら寿司株式会社
- 資料名:「ちいかわ」コラボ施策に関する一部SNS投稿について
- 発表日:2026年9月2日
- 発表元:くら寿司株式会社
- 資料名:第30期 中間報告書
- 対象期間:2024年11月1日〜2025年4月30日
- 発表元:日本経済新聞社
- 資料名:日経平均プロフィル「ヒストリカルデータ」
- データ更新日:2026年9月7日

