日銀1.25%利上げを正式決定、7対2 円は一時158.05円

日銀の政策金利が1.25%へ上昇する一方で円安が進んだことを表すイメージ 経済

日本銀行は9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を1.0%程度から1.25%程度へ引き上げることを正式に決めました。約31年ぶりの高水準です。

ところが外国為替市場では円高ではなく円安が進み、ドル円は一時158.05円まで上昇しました。

今回のポイントは1.25%への正式利上げに加え、採決が7対2に割れたことと、市場の関心がすでに「次の利上げ」へ移っていることです。

1.25%への利上げは7対2

日銀は、無担保コールレート(オーバーナイト物)が1.25%程度で推移するよう促す方針を決定しました。

これまでの1.0%程度から0.25ポイントの追加利上げです。

みらいアンテナでは9月12日の記事「日銀1.25%利上げの公算大 焦点は『次の利上げ』へ」で、市場が1.25%への利上げをかなり織り込んでいる状況を取り上げました。

今回は、その予想が正式決定に変わりました。

ただし採決は全員一致ではなく7対2でした。浅田統一郎審議委員と佐藤綾野審議委員が利上げに反対しています。

円は一時158.05円まで下落

Reutersによると、ドル円は日銀の決定後に一時158.05円まで上昇しました。ドル高・円安方向への動きです。

一つ目の理由は、今回の0.25ポイント利上げが事前に広く予想されていたことです。

予想済みの政策が実際に決まっても、それだけでは新しい円買い材料になりにくい場合があります。

もう一つ市場が意識したのが2人の反対票です。

Reutersが伝えた市場参加者の反応では、7対2という結果から、今後も速いペースで利上げが続くとの期待がやや後退しました。

市場の関心は「今回上げるか」から「次も早く上げるのか」へ移っていたことになります。

米国も0.25ポイント利上げ

為替を考えるうえでは米国の金利も重要です。

米連邦準備制度理事会(FRB)は日銀会合の2日前となる9月16日、政策金利の誘導目標を0.25ポイント引き上げ、3.75〜4.00%としました。

日銀も0.25ポイント引き上げましたが、米国も同じ幅だけ金利を上げています。

そのため、日本が利上げしたからといって、日米の政策金利差が一気に縮んだわけではありません。

円相場は日銀だけで決まるものではなく、米国の金利や今後のFRBの政策見通しも大きく影響します。

日本と米国がともに0.25ポイント利上げした政策金利の変化を比較した図

「3カ月ごと」の利上げではない

では、日銀は次も早いペースで利上げするのでしょうか。

植田和男総裁は9月18日の記者会見で、今後の利上げペースについて「3カ月に1回」といった事前に決めた考え方はなく、各会合で経済・物価情勢を見ながら判断する考えを示しました。

一方、Reutersによると、0.5ポイントの大幅利上げや連続利上げについても一律には排除していません。

物価の大幅な上振れリスクが生じれば、より速い利上げが選択肢になるとの説明です。

つまり、

  • 次も3カ月後に上げるとは決まっていない
  • 大幅・連続利上げも完全には否定していない

という状態です。

次の利上げ時期を明確に示さなかったことも、今回の円相場を見るうえでポイントになります。

次の会合は10月29〜30日

日銀の次回金融政策決定会合は10月29〜30日に予定されています。その次は12月17〜18日です。

今後は、単に「政策金利が1.25%になった」という数字より、

  • 円安や原油高が物価をどこまで押し上げるか
  • 基調的な物価上昇率がどう推移するか
  • 賃金上昇が続くか
  • FRBがさらに利上げするか

が重要になります。

9月18日に確定したのは1.25%への利上げです。

一方、円が一時158円台まで下落した市場の反応を見ると、焦点はすでに「次にいつ、どこまで上げるか」へ移っています。

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