iPhone参入でフォルダブルは変わる? PixelとGalaxyから見えた「次世代折りたたみスマホ」の条件

次世代フォルダブルスマートフォンの条件をイメージした画像 ガジェット

折りたたみスマートフォンは、そろそろ「珍しいスマホ」から次の段階へ進むのかもしれません。

Googleは8月に「Pixel 11 Pro Fold」を発売。Samsungも新たな横ワイド型の「Galaxy Z Fold8」を投入しました。

そして9月のAppleイベントを前に、市場では初の折りたたみiPhone登場への期待も高まっています。

ただし、Appleは折りたたみiPhoneそのものをまだ正式発表していません。

では、仮にAppleが参入するとしたら、どんな端末なら既存のフォルダブルを超えられるのでしょうか。

PixelとGalaxyの最新機を見ると、必要な条件がかなり見えてきます。

Pixelは「普通のスマホとして使える」方向へ進化

Googleの最新モデル「Pixel 11 Pro Fold」は、前世代から約10%軽量化されました。

本体重量は239g。

折りたたんだ状態では厚さ10.1mm、外側には6.5インチ・19.5:9のディスプレイを搭載しています。

開けば8インチの大画面になります。

重要なのは、外側の画面を「サブ画面」ではなく、普通のスマートフォンとして使えるサイズにしていることです。

初期の横折りスマホには、閉じた状態では画面が細すぎて使いづらく、「結局いつも開かなければならない」という製品もありました。

Pixel 11 Pro Foldはその弱点をかなり減らしています。

さらにGoogleは防塵・防水をIP68まで強化。新設計のヒンジなどにより、前世代より3倍の耐久性をうたっています。

折りたたみスマホ特有の「壊れそう」という心理的なハードルにも正面から手を入れてきました。

Galaxyは思い切って「横長」にした

Samsungが2026年に投入したGalaxy Z Fold8は、さらに興味深い方向へ進んでいます。

従来のFoldシリーズより横方向に広いデザインを採用し、開いたときの画面比率を4:3に近づけました。

重さも約201gまで削減されています。

これは一般的な大型スマートフォンと比べても、フォルダブルとしてはかなり軽い水準です。

なぜ横に広げたのか。

従来のフォルダブルは画面面積自体は大きくても、動画を再生すると上下や左右に大きな黒帯が入り、「画面サイズの数字ほど動画が大きくならない」という問題がありました。

電子書籍、Webページ、2画面表示などでも、画面比率によって使いやすさは大きく変わります。

Galaxy Z Fold8は、単純なインチ数競争から「開いた大画面を何に使うか」に軸足を移した端末と見ることができます。

PixelとGalaxy、進化の方向は少し違う

両機を単純化して比較すると、違いが分かりやすくなります。

Pixel 11 Pro FoldGalaxy Z Fold8
重視した方向通常スマホとしての使いやすさ・耐久性軽量化・横ワイド画面
重量239g約201g
閉じたとき6.5インチ、19.5:9通常スマホに近い横幅
開いたとき8インチ4:3に近い横ワイド
強みIP68、Qi2.2、Pixel体験軽さ、動画・電子書籍、大画面活用
日本価格27万9900円~20万円台中心の高価格帯

Pixelは「安心して長く使えるフォルダブル」。

Galaxyは「開いた大画面をもっと活用できるフォルダブル」。

方向性には違いがありますが、共通している点もあります。

折りたたむこと自体ではなく、日常での使いにくさを減らすことが進化の中心になっていることです。

ネットでは「軽さ」と「横幅」で評価が割れる

実際のユーザー反応を見ると、この方向性の難しさも分かります。

RedditのGalaxy Foldコミュニティでは、Galaxy Z Fold8を18日間使ったという投稿が400件近い評価を集めました。

投稿者は横ワイド画面そのものは評価しつつ、従来の縦長Foldに慣れていたため持ち方や操作感になじめず、Fold8 Ultraに戻りたいとしています。

一方、別の投稿では「動画を見ることが多いのでワイド型は理想的」という声もあります。

つまり画面比率には絶対的な正解がありません。

Pixel 11 Pro Foldについても、239gという重量を評価する声がある一方、Galaxyの方がさらに薄く軽いため、「Pixelはまだ重い」という評価も見られます。

フォルダブルが成熟するほど、ユーザーが求めるものも「折れるかどうか」から「自分の使い方に合うか」へ変わっています。

それでも最大の壁は「価格」

問題は、進化しても価格が高いことです。

Pixel 11 Pro FoldはGoogleストアで27万9900円から。

Galaxy Z Fold8 Ultraも約29万7000円からとなっています。

Counterpoint Researchは2026年、フォルダブルスマートフォンの平均卸売価格が前年比18%上昇すると予測しています。

さらに、1600ドルを超えるモデルが出荷台数の約60%を占める見通しです。

つまりメーカー側も現在のフォルダブルを「万人向けスマホ」ではなく、超高価格帯の商品として位置付けています。

どれほど薄く軽くなっても、一般的なハイエンドスマホより10万円以上高いのであれば、

「その差額を払ってまで画面を開きたい理由」

が必要になります。

Appleが参入するなら必要なのは「開きたくなる理由」

Appleは日本時間9月10日午前2時からスペシャルイベントを開催します。

Reutersなどは、そこで初の折りたたみiPhoneが発表される可能性を報じています。

ただし、これは8月30日時点ではあくまで報道・市場予想であり、Appleによる正式発表ではありません。

それでも市場の期待は大きく、Counterpoint Researchは2026年のフォルダブル市場が前年比21%成長し、Appleが初年度から約25%のシェアを獲得すると予測しています。

もし実際にAppleが参入するなら、みらいアンテナでは次の5つが製品の成否を分けると考えます。

  1. 閉じた状態で普通のiPhoneとして使える
  2. 重さを200g台前半まで抑える
  3. 開いた画面に明確な用途を作る
  4. ヒンジや内側ディスプレイへの不安を減らす
  5. 高価格を納得させるソフトウェア体験を用意する

特に重要なのは3番目です。

動画、電子書籍、ゲーム、複数アプリ、生成AIなど、既存メーカーはさまざまな使い道を提案してきました。

それでもフォルダブルの市場規模は通常スマートフォンと比べればまだ小さいままです。

折りたたみiPhoneが登場するだけなら話題にはなるでしょう。

しかしフォルダブル市場そのものを大きくするには、

「開けるスマホ」ではなく「思わず開きたくなるスマホ」

を作れるかどうか。

PixelとGalaxyが改良を重ねてきた今、Appleにもそこが最も厳しく問われることになりそうです。

参照した一次情報

発表元:Google
資料名:Google Pixel 11 Pro Fold のご紹介
発表日:2026年8月12日
URL:https://blog.google/intl/ja-jp/products/devices-services/pixel-11-pro-fold/

発表元:Google Store
資料名:Google Pixel 11 Pro Fold の技術仕様
更新確認日:2026年8月30日
URL:https://store.google.com/jp/product/pixel_11_pro_fold_specs

発表元:Samsung Electronics
資料名:Galaxy Z Fold8 製品情報
更新確認日:2026年8月30日
URL:https://www.samsung.com/jp/smartphones/galaxy-z-fold8/

発表元:Apple
資料名:Appleのイベント
更新確認日:2026年8月30日
URL:https://www.apple.com/jp/apple-events/

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